慢性腎臓病CKD
慢性腎臓病CKDとは
腎臓には血液をろ過して、体内に溜まった老廃物や余分な水分、塩分を尿として排出し、からだを正常な状態に保つ重要な役割があります。腎臓病は、何らかの原因で腎臓のろ過装置である糸球体や尿細管などに障害が起こり、腎臓の機能が低下する病気です。急性腎臓病の場合、症状が急激に進行するため命に関わる危険性もありますが、初期の段階で適切な治療を行えば腎臓の機能が回復する見込みがあります。一方、慢性腎臓病(CKD)は、自覚症状がないままゆっくりと進行していく病気です。気がついた時には、腎臓の働きが低下しているケースも少なくありません。
原因
➀腎臓の病気・・・慢性糸球体腎炎、腎硬化症
②生活習慣病・・・高血圧や糖尿病、脂質異常症
③不健全な生活習慣・・・肥満、過度の飲酒、喫煙、食塩の過剰摂取
④遺伝
⑤薬剤の長期服用
診断
CKDでは症状が出現することはほとんどありません。
以下のいずれか、または両方の状態が 3ヶ月以上持続している場合、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
①腎機能の低下(GFR<60mL/分/1.73m2)が3カ月以上持続する
②蛋白尿、画像、採血、病理所見などで明らかな腎障害が3カ月以上持続する
ステージの分類
・CKDのステージは、腎臓病を招いた原因疾患、腎臓の機能、たんぱく尿、アルブミン尿によって評価されます。
・CKDは、心筋梗塞などの心血管病(CVD)合併の頻度が高く、また無症状のうちに腎機能が低下し、透析や腎移植を必要とすることも少なくないので注意が必要です。
治療
➀一般療法(生活習慣病やメタボリックシンドロームの是正、感染予防、禁煙、運動など)
②食事療法(減塩、エネルギー制限食など)
③高血圧治療
腎機能障害が進展すると高血圧が悪化し、また高血圧があると腎障害を悪化させるという悪循環があり、血圧管理はCKDの治療の中心的な役割を果たします。130/80mmHg以下を目標に血圧管理を行います。
④原疾患の治療
・慢性糸球体腎炎や血管炎
⇒副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬
・糖尿病性腎症
⇒血糖降下薬