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精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

精索静脈瘤

・精巣から流出した細かな静脈(つる状静脈叢)は次第に合流して内精索静脈となります。

・精索静脈瘤は,この内精索静脈を血流が逆流し,陰のうやそけい菅内のつる状静脈叢に血液がうっ滞した (異常にふくらんだ)状態のことをいいます。

頻度

・発症年齢は10歳未満ではほとんど見られませんが,10~15歳の時期に増加し,成人男性では約10-15%に発見されます。 

・男性不妊の患者さんの場合,40%以上に認められると言われています。

・左が90%,両側性が2~10%で,右はまれです。

原因

➀解剖学的特徴

・左精巣静脈は右よりも長く,左の腎臓の静脈に直角に合流し,さらに左腎静脈が大動脈と上腸間膜動脈の間にはさまれて圧迫される(ナットクラッカー現象:クルミ割り器のように血管がはさまれる)ことがあり,静脈の圧力が高くなる

②弁の問題

・精巣静脈の逆流をふせぐ弁のしくみが不十分で,静脈血が精巣へむかって逆流をしてしまう

以上が,静脈瘤ができる原因と推測されています。

症状

➀陰嚢(いんのう)やそけい部の疼痛や違和感、不快感

・陰嚢痛、鼠径部痛などで気づくことが多いです。

・長時間立っているときや、おなかに力が入っているときに現れます。

・夕方に症状が重くなり、就寝後の翌朝に消失していることが多いです。

②精巣の発育障害,萎縮

③不妊 

・造精機能(精子を作り出す働き)の低下,さらには男性不妊症(子どもができなくなる)の原因となると一般に考えられています。

検査

➀触診・・・横になった状態と立った状態での精巣と精索の触診します

②超音波検査(エコー)・・・エコー検査で、静脈の拡張を認めることで診断できます。

精索静脈瘤の程度分類

グレード1: 立位Valsalva負荷(腹圧負荷)で触診可能となる
グレード2: 立位で容易に触診可能
グレード3 :陰嚢、精索の視診のみで診断可能

治療

➀保存的治療

・精索静脈瘤による血液のうっ滞や精液所見の改善には,漢方薬などが有用なことがあります。

②手術

・内精索静脈を鼠径管より上で切断する高位結紮術と,鼠径管より下で切断する低位結紮術があります。

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