腎盂・尿管がん
腎盂・尿管がん
腎臓の内側は腎盂といいます。尿は腎盂を通って尿管へ流れ、膀胱、尿道を通って体外へ排泄されます。腎盂と尿管にできるがんを腎盂・尿管がんといいます。
腎盂・尿管がんの患者さんの約50%に術後、膀胱がんが出来ることが分かっています。
喫煙、化学物質、がん遺伝子、がん抑制遺伝子等ががんの発生に関与しています。
症状
肉眼的血尿(目で見て明らかに尿が赤い)がみられます。
腫瘍や血の塊により尿管が詰まると、水腎症になり、腰痛、背部痛が現れます。
診断
①尿検査;尿潜血(目で見てわからない程度の血尿)の有無を調べます。
②尿細胞診;尿中のがん細胞の有無を調べる検査です。
③超音波検査;腎臓・膀胱を超音波で観察し、腫瘍の有無、水腎の有無等を検査します。
④造影CT:腫瘍を見つけ、転移の有無を評価します。
⑤膀胱鏡検査;膀胱の内視鏡検査です。尿道より内視鏡を挿入し、膀胱腫瘍の有無、左右の尿管口からの出血の有無を確認します。
⑥逆行性腎盂造影検査;膀胱鏡下に患側の尿管口から細いカテーテルを挿入し造影剤を用いて腎盂、尿管をレントゲン検査します。検査可能な病院にご紹介いたします。
治療
①腎尿管全摘・膀胱部分切除術
転移がない場合は腎臓、尿管と尿管口周囲の膀胱壁を切除する腎尿管全摘・膀胱部分切除術が標準治療です。
②全身化学療法
転移のある場合は、抗がん剤を用いた全身化学療法(シスプラチン、ゲムシタビン)を併用した治療を行います。