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夜間頻尿

夜間頻尿とは

夜間、排尿のために1回以上起きなければならない症状を【夜間頻尿】といいます。様々な原因で、加齢にともない夜間頻尿になります。

原因

(1)多尿 (2)夜間多尿  (3)膀胱容量の減少 (4)睡眠障害 に分けられます。

それぞれの原因で治療法が異なるので、夜間頻尿の原因を検査することがとても重要です。

(1) 多尿(1日の尿量が多い)による夜間頻尿

1日尿量が多いと、夜間頻尿になります。一般的には1日の尿量が40ml/kg(体重)を超える場合を多尿といいます(例:体重60kgの人は、1日尿量が2,400ml以上)。

【原因】①水分の過剰摂取 ②尿量を増加させる薬剤を内服している ③糖尿病・心臓病などの内科の病気により尿量自体が多くなり、頻尿になっている場合があります。

(2) 夜間多尿(夜の尿量が多い)による夜間頻尿

1日尿量が正常でも、夜間尿量が多くなると夜間頻尿になります。65歳以上の方では、24時間の尿量に対する夜間尿量の割合が33%を超える場合は、夜間頻尿と考えられます。

【原因】①就寝前の水分の過剰摂取 ②薬剤による作用 ③ホルモンバランスの乱れ ④高血圧や心不全、腎機能障害などの内科の病気によるもの睡眠時無呼吸症候群 などがあります。

(3) 膀胱容量の減少による夜間頻尿

少量の尿しか膀胱に貯められなくなるもので、膀胱が過敏になるために起こります。一般的には、一日を通して頻尿になることが多いです。

【原因】①過活動膀胱 ②前立腺肥大症 ③膀胱癌 ④尿路結石症 ⑤神経因性膀胱 ⑥骨盤臓器脱(膀胱瘤・子宮脱・直腸瘤) ⑦子宮筋腫 

 ① 過活動膀胱

 膀胱に尿が少量しか溜まっていないのにも関わらず尿意を感じてしまったり、膀胱が勝手に収縮してしまう病気で、トイレに急いで駆け込む症状(尿意切迫感)があるものです。脳卒中、パーキンソン病など の脳や脊髄(せきずい)の病気で引き起こされる場合もあります。

 ②前立腺肥大症
男性特有の疾患で、前立腺が大きくなることで排尿がしにくくなり、結果として膀胱が過敏になることがあります。

(4) 睡眠障害

睡眠が浅くなり目が覚めたついでに、トイレにいくことがあります。

【原因】①不眠症 ②睡眠時無呼吸症候群 ③男性更年期障害

(4) 睡眠障害による夜間頻尿

眠りが浅く、すぐ目が覚めてしまうため、その都度トイレに行くことになります。

診断・治療

夜間頻尿の原因を診断するには、まずは排尿日誌をつけることが重要です。

朝起きてから夜寝るまで、排尿の時間と尿量、飲水量などを自分でつけてみましょう。

夜間頻尿の原因にあわせて、適切な治療を行います。

(1) 多尿(1日の尿量が多い)による夜間頻尿

・排尿日誌を見ながら生活指導を行います。

・尿量を増加させる薬剤を同定し、薬内容や内服時間を変更します。

・泌尿器科と内科担当医が連携し、糖尿病などの全身の病気の治療を行うことで夜間頻尿を改善します。

(2) 夜間多尿(夜の尿量が多い) による夜間頻尿

・排尿日誌を見ながら、飲水量や食事指導などの生活指導を行います。

(必要以上の水分摂取が脳梗塞予防になるわけではありません)

・尿量を増加させる薬剤をみつけ、薬内容や内服時間を変更します。

・糖尿病・高血圧・睡眠時無呼吸症候群などが夜間多尿の原因になっている場合は、泌尿器科と内科担当医が連携し、それらの全身の病気の治療を行うことで夜間頻尿を改善します。

睡眠時無呼吸につきましては、当院でも検査・治療が可能です。CPAP治療によって夜間頻尿が劇的に改善することがあります。

・夜間の尿量を抑える薬(デスモプレシン)を使用することもあります。

(3) 膀胱容量の減少による夜間頻尿

・食事内容、生活スタイルで症状が悪化しますので、生活指導致します。

骨盤臓器脱に対しては、骨盤底筋体操指導を行います。重症例はペッサリーや手術が必要になる場合があります。

・生活指導・・・夜間頻尿の原因にならないような食事、生活スタイルの指導をします。

過活動膀胱・・・抗コリン薬、β3作動薬、ボトックス治療

前立腺肥大症・・・α1遮断薬、PDE5阻害薬、5α還元酵素阻害薬、手術

(4) 睡眠障害による夜間頻尿

・生活指導・・・よく眠れるような環境の整備や生活リズムの改善が重要ですので指導致します。

                                  飲酒、入浴時間、就寝前のスマホ使用などについて、ご指導いたします。

・睡眠薬・・・依存性の低いものをお勧めします。

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