腎盂尿管移行部狭窄症
腎盂尿管移行部狭窄症
腎盂から尿管に移行する部位(腎盂尿管移行部)が、何らかの原因により狭くなった状態です。腎機能障害の原因になることもあります。
原因
先天性(生れつき)の原因と後天性(生れた後に起こった)の原因があります。
先天性の原因
①内因性(もともと腎盂尿管移行部の内腔が狭い)
②付着異常(尿管が腎盂に付着する部位が高い)
③外因性(異常血管により腎盂尿管移行部が圧迫されている)
後天性の原因
①炎症
②腫瘍
症状
背中や腰の痛みや血尿、発熱などの症状を認める場合もありますが、無症状を伴わず、画像検査で水腎症を指摘されて見つかる場合もあります。
診断
狭窄の程度、腎機能の有無、がんなどの他の病気の除外を行い、診断します。
①尿検査:尿中の血液や細菌の有無を調べます。尿中のがん細胞の有無を調べます。
②血液検査:腎臓の状態を調べます。
③超音波検査:水腎症の有無を確認します。
④CT検査:造影剤を用いた撮影を行うことで、狭窄部位や異常血管を調べることができます。
⑤MRI検査:MRUにて、造影剤を用いなくても狭窄部位や異常血管を調べることができます。
⑥腎シンチ検査:左右の腎機能(分腎能)を評価するため、各医学検査を行うことがあります。
⑦尿管鏡検査:麻酔下に腎盂・尿管内に内視鏡を挿入し内部を調べる検査です。CTなどの検査では確定診断できない場合に行います。
治療
①経過観察
狭窄の程度が軽度で腎機能にも悪影響を与えてない場合は、慎重に経過観察をします。
②腎盂形成術
狭窄部を切除し、腎盂と尿管を大きく広げた後、両者を縫合します。
以前は開腹下に手術を行っていましたが、近年は腹腔鏡下での手術が標準的となり、2020年4月には、ロボット支援腎盂形成術が保険適応となりました。